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完全プロ化のための改革。KUROBEアクアフェアリーズ富山、株式会社化に込めた「地域の誇り」
完全プロ化のための改革。KUROBEアクアフェアリーズ富山、株式会社化に込めた「地域の誇り」
リブランディング特集

完全プロ化のための改革。KUROBEアクアフェアリーズ富山、株式会社化に込めた「地域の誇り」

2026.10.16
aquafairies

近年、SVリーグで広がるクラブの「リブランディング」。

SVリーグ女子のKUROBEアクアフェアリーズ富山は、2026年7月1日から新たな体制で歩みを進めることとなった。運営会社を「一般社団法人KUROBEアクアフェアリーズ」から「株式会社KUROBEアクアフェアリーズ富山」へと移行し、全選手とプロ契約を締結したのだ。組織の形を変えるという大きな決断の裏には、黒部・富山の地とともに歩み続けてきたクラブの想いが込められている。

なぜ今、クラブは生まれ変わることを選んだのか。これまでの歴史と積み重ねてきた誇りを胸に変革へ挑むクラブの狙いを詳しく解説する。

全国初の市民クラブとして誕生

「KUROBEアクアフェアリーズ富山」は、人口4万人の富山県黒部市を拠点とするクラブ。特定企業を親会社に持たず、全国初の地域の支援によって成り立つ市民クラブとして誕生した。
その始まりは2000年に開催された「とやま国体」に向け1998年に作られた県代表の強化チームだ。国体終了後、本来であれば役割を終え解散する運命にあったものの、活動継続を望む地域の声に応える形で黒部市の地元企業が一丸となり、選手を自社で雇用しプレー環境を確保する協力体制を築き上げることで市民クラブとしての存続を果たした。

なぜ株式会社化に踏み切ったのか

2024年にはじまった日本バレーボール界の大きな構造改革とともにクラブは新章へと足を踏み出す。新設された最高峰リーグ「大同生命SV.LEAGUE」への参入だ。

参入にあたっての課題は、競技力・組織力・事業力のすべてで「世界最高峰」を実現するために、「事業性・環境面」を厳しく評価するライセンス要件のクリアである。この高いハードルをクリアするべく経営基盤の抜本的な強化が行われた。

2026年7月1日から長年クラブを支えてきた「一般社団法人KUROBEアクアフェアリーズ」から「株式会社KUROBEアクアフェアリーズ富山」へと運営組織を刷新した。

株式会社化に際し、地元の自治体や企業、放送局など21の株主から、合計8,000万円あまりの出資金が集まった。また、これまで選手それぞれが支援企業に所属して社員として働く体制をとっていたが、全選手がプロ契約を結び、バレーボールに専念できる環境を整えた。

堀内康男社長は株式会社化を伝える会見で「このチームがさらに高みを目指して成長・発展していって、トップリーグの上位で争えるチームに成長できれば」と述べた。同クラブに所属している古市梨乃選手は「バレーボールに集中しやすい環境を整えていただいたことに本当に感謝しながら、私たちも成績をさらに上げられるように、精一杯努力して頑張っていきたい」とコメントを残している。

「地域の誇りであり、活力となる存在」へ

株式会社化を機に、クラブは自らの存在意義(パーパス)を改めて見つめ直した。

選手やスタッフ、これまで選手を雇用してきた企業など多くの関係者の声を取り入れながら議論を重ね、たどり着いたのが「黒部・富山から、その先まで、バレーボールで生まれる『挑戦とつながり』で人を前向きにする、地域の誇りであり、活力となる存在」という指針である。

その目的を果たすために目指す価値(バリュー)として挙げたのが、以下の3つである。

01.地域への愛情と市民との一体感
地域への愛情と市民(ファン)との一体感を何より大切にするクラブ。

02.強さと卓越性
SVリーグで結果を出す競技力とともに、プレーヤーとしての立ち振る舞いを通じて「憧れの存在」となる。

03.親しみやすさと現代性
古いイメージを脱ぎ捨て、洗練されたビジュアルと近づきやすさを両立する。

地域に密着したチームをさらに進化させ、誇りになるべく活躍していくことを改めて明示したのだ。この理念は新ブランドステートメントの「DIG DEEP, RISE HIGH. つながる力で、心を動かせ」という言葉にも表れている。

世界的デザイナーが手がけた新ロゴ

ブランドステートメントを視覚でも表現するため、クラブは世界的デザイナーの奥山清行氏(株式会社KEN OKUYAMA DESIGN)にブランド構築を依頼した。新ロゴは「A(AQUA)」の文字をモチーフに、ラリーをつなぐようなリボン状の流れを重ね合わせることで、選手・観客・地域が連鎖し次の挑戦へと循環していくエネルギーを表現している。カラーは、長年愛されてきたアクアブルーにわずかなイエローを加えて透明感と輝きを増し、染まらない強さを表す黒、親しみやすさを加える2種のピンクを組み合わせた「歴史と未来をつなぐパレット」として再構築された。

地域への感謝を胸に新体制で挑む未来への一歩

地域密着の市民クラブとして誕生してから四半世紀。地元の手厚い後押しに支えられてきた「アクアフェアリーズ」は、プロクラブとしての責任と誇りを胸に、日本最高峰、そして世界を見据えている。10月の開幕戦で披露されるのは、単に新しくなったチームの姿だけではない。これまでクラブを支え続けてくれた地域社会への感謝と、プロとして新たな感動を届けるという覚悟だ。組織の形が変わっても地域とともにあり続けるという変わらない意志が今回のリブランディングに込められている。

試合日程やクラブの最新情報はSVリーグ公式サイト、KUROBEアクアフェアリーズ富山公式サイトで随時発信されている。

黒部・富山から、その先へ。新体制で歩み始めたクラブの挑戦に目が離せない。

試合情報はこちらをチェック!

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