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SV.LEAGUE JOURNAL

【SPIKE!賞受賞者インタビュー】準決勝の涙から決勝の笑顔へ。中島咲愛、極限のファイナルで決定率45.8%。そのメンタリティの正体に迫る。
【SPIKE!賞受賞者インタビュー】準決勝の涙から決勝の笑顔へ。中島咲愛、極限のファイナルで決定率45.8%。そのメンタリティの正体に迫る。
インタビュー

【SPIKE!賞受賞者インタビュー】準決勝の涙から決勝の笑顔へ。中島咲愛、極限のファイナルで決定率45.8%。そのメンタリティの正体に迫る。

2026.05.13
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【SPIKE!賞とは】
本メディアが掲げる「誰もが誰かを応援したくなる、そのきっかけがここにある。」というコピーを形にすべく、今季の2025-26 大同生命SV.LEAGUE WOMENより新設された特別表彰。
株式会社オープンハウスグループの協賛により実現した本賞は、単なるスタッツの優劣だけではなく、コート上で誰よりも熱い姿を体現し、ファンの心を震わせた選手に贈られる。

4月26日、2025-26 大同生命SV.LEAGUE WOMENはSAGA久光スプリングスの初優勝で幕を閉じた。
この激闘のなか、ファンの心を最も熱く震わせた選手に贈られる「OPEN HOUSE GROUP Presents SPIKE!賞」。その初代受賞者に選ばれたのが、中島咲愛選手だ。
2年目を迎えたトップリーグの女王の座を争う戦いのなか、GAME3にもつれこんだチャンピオンシップ(CS)セミファイナルの試合後、勝利したにもかかわらず“悔し涙”を流したのが中島だった。一転、ファイナルでは2試合続けてハイパフォーマンスでチームをけん引。まさに「SPIKE!賞」の理念である”熱い姿” で会場を魅了した。
優勝の“キーマン”となったアウトサイドヒッターの悔恨と歓喜の舞台裏とそのメンタリティに迫る。

元日本代表・迫田さおりさんの言葉で自信をもってコートに立てた

──SVリーグ優勝おめでとうございます。改めてお気持ちを聞かせてください。
率直に嬉しいです。準決勝で苦しみながらもたどり着いた舞台でしたから。このメンバーで少しでも長く一緒にやりたいと戦ってきたなかで優勝できて本当に良かったです。

──そして「SPIKE!賞」の受賞おめでとうございます。お気持ちはいかがですか?
ありがとうございます。もちろん嬉しいですけど、私でいいのかなって(笑)。他にもすごい選手がたくさんいるので……。でも、ありがとうございます。

──まずはセミファイナルの話をお聞かせください。GAME3で勝利した後には悔し涙する姿もありました。抑えきれない感情があったのでしょうか?
スタートから出させてもらいましたけど、結局、第3セットから下がることになりました。今シーズンが始まる前から、(中田)久美さんにも「“いぶし銀”で頑張れ」と言ってもらい、意気込んで臨んだリーグでは中盤くらいから調子も上がってきていました。でも、セミファイナルという大事な舞台で上げられなかったことが悔しくて。PFUさん(PFUブルーキャッツ石川かほく)の対策がすごくて、何をやっても決められない感じでした。負けたらこのメンバーとは最後だし頑張らなきゃってなったんですけど、それでもダメだったことが不甲斐なくて。結果的には(交代で入った)ジュリー(・レングヴァイラー)がすごく活躍してくれましたけど、やっぱり悔しさも大きくて……。

──試合後に中田ヘッドコーチとも話をされたんですか?
特に話はしていないですね。それでもやるしかないな、と。試合まで中4日でしたけど、コンディションもメンタル面もしっかりと上げることだけを考えていました。

──そんななかで迎えたファイナルの2試合通算でアタック決定率45.8%、サーブレシーブ成功率49.1%と高い数字を残しました。パフォーマンスをどのように感じていますか?
普段からあまり数字にはこだわっていなくて。試合中は考えないでプレーしているので、とにかくやるだけなんですけど、ファイナルが行われた横浜BUNTAIでは大型ビジョンに表示されていたんですよね。パッと見た時に「あ、決定率60%だ」って思いましたけど、気にしないで試合に集中しようって。ただ、実際の感覚としても調子は良かったと思います。

──GAME1はアタック45本で21点。サーブレシーブ成功率も50%でした。レギュラーシーズンと比べてもコンディションが良さそうに見えましたが要因はなんでしょうか?
(元日本代表の)迫田さおりさんにかけていただいた言葉は大きかったと思います。

──迫田さんとお話しされたんですか?
ファイナルの前日練習終わりに取材していただきました。初めてお話しさせてもらったのですが、私はセミファイナルのプレーを引きずっていたなかで「もっと自信をもっていいよ」って。小・中学生の頃から憧れの選手だった迫田さんに伝えてもらった言葉のおかげで自信を持ってコートに立てたと思います。

──GAME1は2セット先取から追い上げられ、第4セットでは点差を離されました。9-15の場面のタイムアウトでは、「つくり直そう」「ていねいに」といった声もありました。
そうですね。自分自身の数字は悪くはなかったので、そのプレーを維持しようとは思っていました。そうしたなかで久美さんから「シンプルにやろう」「考えすぎずに1点ずつ取っていこう」と声をかけてもらえたことでみんなの気持ちが高まりました。相手にかなり押されている展開でしたけど、その言葉があったからこそ試合中に切り替えることができて、第5セットまでねばれたと感じています。

──第5セットはまた接戦となって、8-7の場面でタイムアウトを取りましたが、直後に追いつかれてしまいました。
そのなかでもシンプルなプレーを心がけていました。それに、レギュラーシーズンからずっと「1人1人が自分の役割に徹しよう」と言われてきたので、そこも意識できていたと思います。焦って自分の仕事ができなくなると悪くなるので、それぞれみんなが考えながらやれたことで最後までねばって勝ち切ることができたのかなって。最後、荒木(彩花)が“おでこブロック”を決めてベンチではすごく盛り上がりました(笑)。まずは勝ててホッとしましたね。

──勢いそのままに迎えたGAME2は中島選手がチーム内で最初のポイントをあげました。
実はあんまり覚えていないですけど、出だしから2点を取られたなかでも、自分がその相手の流れを止められたことは良かったですね。

──第1セットでは5-6の場面で2枚ブロックの間を通したり、7-9の場面でブロックアウトを取ったり、試合序盤から相手の動きを見ながら打ち分けていました。普段からどんな視野でプレーされているのでしょうか。
なかなかブロックの上から打つことはできないので、“ただ打つだけ”ではなく、相手のブロックとコートを見ながら、その動きに合わせて決められるように考えていますね。大阪マーヴェラスさんはやっぱり2枚がそろうとすごく高いので、その時はブロックアウトで出そうとか、頭の中でイメージしているものをうまく出すことができました。

──第3セット22-12の場面では左手で打ちましたよね。
これまで左手で打ったことなんてないんですけどね(笑)。プッシュしたら決まったという。練習でもやっていないですし、少しパスが長かったので咄嗟にやったらいけました。ライトの選手が手を引いたのでいけそうだなと思ってやってみたらうまくいきました。

──GAME2も27本打って決定率44.4%、サーブレシーブも19本受けて成功率47.4%と安定した数字をキープしましたが、技術や精神面で意識していたことはありますか?
チャンピオンシップに入ってからは、メンタル的なところもプレーに影響していたと思います。技術的には相手が取りにくいようなコーナー対角を狙う練習もしてきましたけど、やっぱり精神面ですかね。今年はなんか優勝できる気がしていたんですよ(笑)。

──それはいつですか?
レギュラーシーズン終盤ですね。チームの勝ちも増えてきていて練習中から雰囲気が良かったので、いけるんじゃないかって。心身ともに充実したファイナルを戦えたように思います。私自身は初めての優勝でしたし、タイトルが懸かる舞台で高いパフォーマンスを示せたことは大きな自信になりました。

もっと応援してもらえるような選手に

──中島選手にとって「自分の役割」「自分の仕事」とはなんでしょうか?
SAGA久光はみんな身長が高いですし、ミドルを通せたら強いと思うので、最初はパスの安定や守備が求められていると思っていました。でも、守備だけじゃダメだなって。レフトの私のところにトスを集めてくれる機会が多いので、そこでポイントを取ることが役割だと思います。シーズンの中盤くらいからは特に攻撃を強化するようになりましたし、最終的に自分の仕事は攻撃面だったと思います。

──シーズンを戦いながら自分の役割を明確に意識できるようになった。
そうですね。もちろん守備は重要ですけど、最後に「ここぞ」というところで決められるかどうかが求められていると感じています。シーズンを重ねて自分の出場時間が増えていくにつれて、攻撃面の役割を特に意識するようになりましたね。

──途中からコートに立つことも役割に徹する意識へとつながったのでは?
それも大きかったと思います。途中から出るということは、何かを変えられることを求められているはずです。決定率を上げなきゃいけないプレッシャーもありますし、久美さんから直接は言われないですけど、「決めてこい」というメッセージを汲み取っています(笑)。今シーズンは、序盤戦はスタートから出させてもらいましたけど、中盤は出られないことも増えて落ち込む時期もありました。それでも、自分がこれからどうやって生き残っていくのか、チームが勝つために何が必要なのかを考えることができました。

──自分のためにプレーすることとチームのためにプレーすることの両軸がある。
最初は、自分が活躍したいと思ってコートに立っていました。でも、途中出場が増えるなかで、自分としてはもちろんスタートから出たい気持ちはありつつも、チームが勝つために受け入れなきゃとも思いました。そうやってシーズンが進むにつれて、途中出場でも自分が勝たせられるように頑張るというか、でもそれは自分が活躍するということではなく、チームのために頑張ろうという気持ちになっていきました。結果的には、その意識が自分のパフォーマンスを高めてくれたとも感じています。

──今シーズンは中島選手がキーマンだとヘッドコーチから言われていたそうですね。
そうです(笑)。プレシーズンでは、外国籍選手や代表選手が合流していない時から練習していて、久美さんに「咲愛が頑張らないといけないよ」って。それはセミファイナルが終わってからも言われました。

──では、今シーズンを100点満点で評価するなら?
うーん、もっと攻撃力を高めて、決めるべきところで決められる選手になるという意味で50点くらい……いやでも、優勝したから70点でお願いします(笑)。

──今シーズン、特に印象に残っている場面はありますか?
PFUさんとのセミファイナルですね、やっぱり(苦笑)。GAME3だけじゃなくて、3試合全部。セミファイナルの相手がPFUさんに決まった時から厳しい戦いになるだろうなとは思っていました。勝つことはできましたけど、本当に苦しいゲームでした。

──そんな戦いを経て、次のシーズンへの気持ちも高まっているのでは?
そうですね。これからチームの仲間が代表に行きますし、私ももちろんそこを目指しています。今シーズンは、技術的にできることが増えたからこそ、攻撃面でもっと精度を上げないといけません。それに、長いシーズンのなかで波を少なくしつつ平均値を上げて、高いクオリティを継続して発揮できるようなプレーヤーになりたいと思います。

──ありがとうございます。ファンの方々へのメッセージをお願いします。
本当にスプリングスファミリーのみなさんは、ホームだけではなくアウェーでもたくさん応援していただきました。敵地でもホームのような雰囲気をつくっていただき、その声援はいつもすごく聞こえていましたし、劣勢でもみなさんの声や拍手が大きな力になりました。スプリングスファミリーの方がどこで試合をしても駆けつけてくれて、なんというか、すごく安心できました。本当に感謝しています。私自身は、ファンのみなさんにもそうですし、まだそれほどバレーを見たことがないような人にも、もっと応援してもらえるような選手になれるようにこれからも頑張りますので、引き続き応援よろしくお願いします!

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